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捨てる神あれば拾う神あり その2

cow

バンビみたいだけど牛。

前回のつづき

そのホテルはフランス統治時代の香りが残るコロニアル建築で
素敵だったが、部屋のライトが薄暗い蛍光灯電球で一気にその
雰囲気を壊していた。惜しいねー。
エリックは明日アンコールワットに移動するということで、
荷物は綺麗にコロコロのトランクの中に納められていた。
「ちょっと待ってくれ、えーっと、ここかな?これは違うな」
と、次々出てくるファスナー付きビニール袋に入った薬の数々。
その量のものすごいこと。確かにおじいさんだから、薬は
念のためにも必要かとは思いますけど・・・荷物の半分は薬?
「あったあった」チューブの塗り薬と、個別パックの滅菌ガーゼ
がいっぱい、綿棒いっぱい、紙テープ、包帯を取り出してきた。
「じゃ、手を石鹸で洗ってきて・・・ちょっと見せてご覧・・・」
ルーペで覗き「ほ~、異物は入っていないし化膿もしていない」
綿棒で薬を塗って、ガーゼを乗せて、綺麗にテープを貼って
まるで本物のドクターのように手当してくれた。
「それじゃ、これとこれとこれを分けてあげるから使いなさい」
ファスナー付きビニール袋に上記の薬を入れてくれて
薬局で処方してもらったよう。ありがとうーーーー!!!!
捨てる神あれば拾う神ありって今日ほど実感したことはない。
救世主だよー。なんて偶然の出会いなんでしょう。
たまたま出会った人が同じように火傷してた人だなんて・・・
薬を片づけながら「これもいるかい?なかなか高かったんだけど
とても塗り心地がさらっとしていていいんだよ」とキールの
日焼け止めも一本くれて、キールってさ、10年以上前に
ニューヨーク行ったときに、バーニーズでオカマの店員さんに
見立ててもらって、パック買ったよー!(そんなこと英語で
言わないけど)そのキールだから小躍りして(本当に)喜びました。

治療も終わり、一部屋分あるというやたら椅子がいっぱい
置いてあるバルコニーでのんびり過ごす。エリックは
日本人とは初めて話したそうだ。そ、そうなの?
エリックのイメージしていた日本人はいわゆるステレオタイプの
真面目な日本人らしく、どうも私とは違うようで日本人て
こんなだったのか?と思ったようだ。
まあねー、こんなところで出会う日本人にステレオタイプの人
はいませんね。

そしてよくわかんないけどエリックは荷物の中から赤いネット
のハンモックを出してきて「美しい」と言いながら私の両手に
巻いてみたりしているので、緊縛癖あるのか??
とちょっと考えたりする。
でも縛られちゃう事もなく、ちゃんと宿まで送ってもらい
なんだか名残惜しそうなので「じゃあ、明日の朝ご飯一緒に
食べる?」と約束して別れたのでした。
翌朝、朝食を一緒に食べて箸の正しい持ち方を教授し、
救世主エリックとはお別れ。感謝感謝。

そのアメリカの強力な薬のお陰と、その後も毎回バンドエイド
の外紙を貼っていたのが効を奏し、かさぶたにならずに8日で
きれーいに火傷は治ったのでありました。
最近の治療法でラップを使って傷を決して乾かさず、
かさぶたを作らないという方法を読んだことがあったので、
それを実践したのでした。大成功!



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COMMENT 4

きわこ  2007, 02. 07 [Wed] 20:36

ほんと、バンビみたい。もふもふ食べてる~。
耳の先っちょさわりたい。
か~わ~い~い~(そればっか)。

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アリー  2007, 02. 08 [Thu] 01:45

ウシ???
実はウシのようなバンビだったりとかして・・・。
エリックとの出会いはすごいね。
そんな事ってあるんだね~。
世の中、捨てたもんじゃない・・・。

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a92  2007, 02. 08 [Thu] 09:25

私もこれ載せてから、あれ?もしかして鹿だったのか?
って考えたけど、南国じゃどこも鹿は飼っていないし・・・
本当、背中もふもふだね~。

エリックはありがたかったよー。
旅はおもしろいね。

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a92  2007, 02. 08 [Thu] 09:27

あれ?もふもふは食べてる音だったのね。
でも背中ももふもふでしょ?

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