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ルアンパバーン 第一章 なにもしてないけど長い一日

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今日こそ友達の托鉢を見たいとまた朝5時にKと待ち合わせる。
ちょうど宿のお母さんがトイレに起きたところに出くわし、今日は門に
鍵がかかっていたがそれを開けてくれた。良かった。大通りに出たら托鉢
を待つおばさん達がいて、すぐに托鉢僧達がやってきた。おじいさんの僧を
先頭に段々と若い僧になっていく。配るのはカオニャオ(餅米)で、おかずや
お菓子があったりするが、ほとんどがカオニャオだそうだ。
「あそこのカオニャオはおいしいとかまずいとかないの?」と聞いたら特に
ないそうだ。今日は行かないって欠席もできるらしい。北部にあるルアンパバーン
は寒い季節には15度以下になる日もありそんな日は裸足で道を歩くのは冷たく、
衣も寒いそうだ。。友達のお坊さんがニヤニヤしながらKを見て一言二言話して、
あっという間に通り過ぎる。

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まだ6時にならないし、ナムカーンに架かる手作りの橋を下りて川べりを
散歩していると、Kはなんだか沈んでいて「IDがまだ出なくて、警察にお金を
また払わないとなりません」と言う。IDは何をするにも必要でそれが発給されない
事にはビエンチャンには行けないそうだ。本当なら今日出発の予定が1日遅くなり
そのためゲストハウスを今日チェックアウトしなくてはならないと言う。「なんで
ゲストハウス延長できないの?」理由を聞いたがなんだかよくわからないんだけど
「じゃあ、安い所を一緒に探そうよ」と言っても「大丈夫です」と言うばかり。

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その後携帯で家族と何度か話して「村の人がバイクでお金を持ってきてくれる
のでポーシー市場に行きます」と急に表情が明るくなった。この市場は町外れにあって
歩いて30分くらいかかった。Kが薄いノートのようなものを見せてくれて家族
の証明写真が貼ってあり何か文字が書かれている。戸籍謄本のようなものらしい。
すぐにおつかいの人と会えてお金を受け取るとすっかり明るくなる。
ビエンチャンに行く為に飛行機のチケットを買うと言う。バスだと12時間くらいかな?
「飛行機は高いんだからバスで行きなよ」「ダメです。お腹が」「ああ、気持ち悪く
なっちゃうのね」ラオス人は車酔いする人が多いと聞く。「ちょっと気持ち悪くなって
も吐けばいいじゃん。我慢だよ我慢」「だめです」「あのね、気持ち悪くならない為には、
自分は大丈夫って思う事と、寝る事だよ」「寝ません」「寝なよ」「寝ません」て強情だな。
だって飛行機とバスじゃ10倍くらい違うよ。これからいろいろお金掛かるんだしさ。
Kの両親は村で農業をしているそうだしお金大変だよね。

30分くらいかけて宿のそばに戻り「じゃ、今日はカオソイ食べようよ」昨夜閉まって
いた店に行く。カオソイというのはルアンパバーン名物で米の麺の上にトマト味の肉味噌
がのったピリ辛ヌードルだ。店によって味が違う。タイも同じだけど味付けは自分の
好みでテーブルに乗った調味料を加える。お米を揚げたおこしを砕いて入れる
とおいしい。ここはお皿に山盛りのハーブが付いてこれも麺に乗せて食べる。
「私は野菜が大好きなんです」とKが喜んでモリモリ食べていたけど、これね野菜
とかハーブとか言うより草と表現したほうが一番近いと思うの。香りが強いから
ハーブなんだけどね。草(失礼)の他に長いインゲン、エシャロット、生の唐辛子
が付く。それを辛みそに付けるかテーブルに置いてあるエビ味の塩辛をペーストに
したようなものを付けるかして食べる。ぽりぽりと生の唐辛子を食べているのを見て
「辛くないの?」と聞くとそんなに辛くないそうだ。ちょっとだけかじったら
すごーーーーく辛かったです!ラオス人もタイ人と同じで辛いもの好きだ。
カオソイの後はカフェラオを飲み、Kはチェックアウトもあるし一旦ゲストハウス
に戻る。

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待ち合わせの時間に行くと警察に行ってきたそうで嬉しそうに「IDが取れました!」
と見せてくれる。日本の運転免許証とよく似ている。これさえあればなんでもできるのだ。
おめでとう。「これからどこに行きますか?」と聞くので「あのね私はすごーく疲れて
いるの。どこにも行きたくないの」地図を開いて「ここに池みたいのがあるでしょ?
前に来た時行ったんだけど、そこは池の上に建物があってタダで中に入れるの。
そこ行ってのんびりしようよ」池には沢山の睡蓮が咲いていて、一体何の為の施設
なのか公園なのかよくわからないけど静かで涼しくて観光客も来ないし穴場なのだ。
建物に入っていくと前に来たときはゴザが全面に敷いてあり昼寝ができたのだけど、
今はほんの一部にしかなくて、そこにはもうカップルが転がって占拠されていて残念。
仕方なく椅子に座る事に。Kはすぐそばにあるラオス航空に行って航空券を買ってくる
から「待っててください」と言う。「いいよー。」

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その間持参した刺繍糸でKにミサンガを編む。いつも刺繍糸を持って行き、旅先でお世話に
なった人にミサンガを編んでプレゼントしているのだ。お坊さんカラーのオレンジと
それにあう色を選ぶ。Kがチケットを手に戻ってきた。明日の昼の便で7千円くらい
したようだ。バスの方が安いのにー。ミサンガを腕に縛ってあげて、お猿の根付け
(ずっと使い道がなくて机に入っていたんだけど誰かにあげようと持ってきていた)
をリュックのファスナーにつけてあげると「これどうぞ」とリュックの中から長袖の
シャツを出してプレゼントしてくれた。「こっちの方が高そうじゃん!悪いよ」
「同じのを二枚買ったからいいんです。高くないです」と言う。着てみたらサイズも
ぴったりだった。「ありがとう!!」なんか悪いなあ。だってビエンチャンに引っ越す
Kの荷物はデイパックひとつなのだ。(本は沢山あるので送ると言っていたけど)
それなのにプレゼントをくれるなんて申し訳ない。でもとても嬉しかった。

そこでお昼過ぎまで過ごし「次にどこに行こうか?私、WI-FIのあるところに行きたい」
と言うと最近できた市場の中にある小洒落たカフェに案内してくれた。でもなんか
高そうだよね。入る前にメニューを見せてもらうと、サンドイッチが屋台の4倍だ。
「高いよねー。じゃあさ、これとビアラオ頼んで二人で半分こしようよ」という事に。
「高いんだからここに長くいようね」と、座りやすそうなソファーに腰掛けiPhoneを
いじり、Kは外国人が撮った日本の神社や寺の写真集を見ていた。その中に新宿などに
立つ虚無僧の写真があり「托鉢!」と言うから「この人達はお金もらうの。中には
偽のお坊さんもいるし」と言うと「ダメです!!お金はもらいません!!ダメです!!」
と激しく否定している。ラオスのお坊さんはお金はもらわないのか。
Kは日本の事に興味があるので地震や津波のこと原発事故のことも知っている。「ラオス
には原発はありません、どうして日本には原発があるのですか?」と素直な質問を投げ
かける。「日本には資源がないからかな」と答えるが考えさせられる。
「ねえ、今晩どうするの?友達の家とか一泊だけさせてくれる人いないの?」
「友達の家は狭いからダメです」「いいじゃん、一泊だけさせてもらいなよ」誰か泊めて
くれそうな人の家に電話を掛けさせると一人泊めてくれるという人がいた。「良かったね」

夜はナイトマーケットに買い物に歩く。「私がいれば安くなります」って言ってたから
そうか、と思ったけど、結局交渉するのは私で「まけて下さい」って言葉は前から
知ってるし、値段交渉の時の数字は現地の言葉に限るって私の鉄則だからそれで
掛け合うけど「これは手で縫っているから」と全然安くならない。この「これは手で
縫っているから」ってジェスチャーで値段を下げないのはどこの店でも一律の対応で
常套句であるんだな。確かにそう言われちゃうとなんだか値切るの申し訳ないような
気になるし。結局買い物にKは大して役に立たなかった。その後再び昨日の夜に行った
屋台へ行くと今日もピエールとイサベラがいてまた一緒にお喋りをする。二人はかわいい
モンク(お坊さん)がお気に入りの様子。また一緒に散歩をして川縁のコンクリに
腰掛けて話をしてたらもう私は眠さの限界で居眠り。二人とここで別れて帰る。
帰り道、女の子が一人コンクリに座って川を見ていて歩き出し、Kが声を掛けて何か
話し一緒に歩く。ラオス人て絶対耳がいいと思う。だって離れたところでそんなに大きな
声を出さないでも普通に会話して聞こえるんだもの、それも、知らない人に歩きながら
友達かのように話すんだ。すごく不思議なかんじだけどそれが自然でもある。
だから友達多いのかな?Kはそこら中に友達がいる。それにこの道は街灯も少なくて
結構暗い。暗い中、10時くらいに女の子が一人で川を見て座っているって、普通
あり得ないでしょ?でも、そこにはカップルや女の子二人で座っていたりしていて、
だけど、デートスポットとか賑やかなわけでなく、静かに何人かが座っているのだ。
不思議だ、そして平和だ。

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